3Dモデルの分割
前回実測値から3Dモデルを作りましたが、そのまま3Dプリンタで印刷!
とは行きません。
何故なら、私が購入できる範囲で買えるプリンタでは最長距離650mmあるこのモデルを
一発で印刷出来ないからです。
ということで印刷できるサイズに分割することにしました。
2分割か3分割か
構成パーツを少なくできればその分強度も上がります。3分割は最終手段ということで、
まずは2分割です。
・第一案
とりあえずこの辺が真ん中だろうと思った箇所でスパっと切断。
切りっぱなしだと接合するときに苦労しそうなので、凸凹勘合出来るように突起物を
設定しました。
が…
3Dプリンタ(FDM式)で印刷する場合、出来る限り空中に浮く箇所(オーバーハング)が無いように作った方が精度が上がるとの事。没案となりました。
・第二案
ということで次の案はパズルのように方形に切り欠いたデザインに。
これなら精度の不安も取り除かれ完成!
と思ったのですが、勘合時にZ軸方向のズレと強度が確保出来ない懸念が…
没になりました。
・第三案
今度はZ軸方向の耐久性と精度を視野に入れ、分割モデルそれぞれ互い違いに勘合できるようデザインしました。
この案であれば印刷後の勘合も各方向の耐久性もクリアできる!と思ったのですが、
直線的な切り欠きと突起は強度不足になる可能性を指摘された為、没に…
しかしこのデザイン案が最終モデルの礎となりました。
・第四案
そして辿り着いたのが第二案を進化させたデザイン。
方形では不安だったZ軸方向への負荷を分散させるために台形デザインへ。
バチッとはまれば勘合時のズレも少ないだろうと考えました。
木材の継ぎ方で「蟻ざねはぎ」という技法だったと数日後に知りました。
無知っておそろすぃ。
そして第四案をもって3Dプリントを決行することにしました。
スライサーソフト「CURA」を使用し、プリンターに送るデータを作っていきます。
予想してましたが入りませんでした(泣)
更にどう頑張っても片方のモデルが入りません(泣)
3分割にするしかないようです。
・第五案
第四案の片方を更に分割。
全く美しくありません。
作っていて溜息しかでませんでした。
やっぱり2分割が良い
第五案であれば間違いなく印刷できるのですが見れば見るほど悲しくなりました。
どうにかして2分割にできないかcuraとFusion360を眺め続けていて気付きました。
「最初にモデルを切った箇所、適当すぎたのでは?」
初心者にありがちな、根拠のない「適当」。
反省しつつ最適箇所を測定し、なんとか2分割でプリントできる箇所を見つける事が出来ました。
・第六案
切断箇所を再設計するにあたり…
やはり気になっていた勘合時のZ軸方向へのズレを解消するため第四案を更に進化させました。
「蟻ざねはぎ」から「蟻型相欠け継ぎ」+M4ネジ穴加工です。
今更気付いたのですが、どうせ自分でデザインしますし…
最初から穴を開けておけば組付け簡単に出来る!という楽したい発想の体現です。
そして完全に両パーツ共、プリント可能範囲内に収めることが出来ました!
ここに辿り着くのに2週間以上費やしました。頑張った!
・第七案(最終型)
第六案で気付いた「最初から穴開け作戦」を更に追加した形になります。
どうせならボディに取り付ける穴も開けちゃえ☆的なノリで複数個所に丸穴を設置。
しかし適当に開けた丸穴だけでは車体に取り付ける際シビアになるのでは?
という懸念から、各穴を横穴に拡張。
ついでに蟻型継ぎの面積を拡張し4本のネジで止めれるようにしました。
これにて最終型(ベースエアロ)の完成です!
まとめ
ほぼ一ヵ月かけて3Dモデルをデザインしていました。
最初はぎこちなかった3DCADも、日が経つにつれ上達していくこの感覚は
30代になってもまだまだ成長できるんだなぁという想いを抱かせてくれました。
3Dプリンターが届きましたので、ここからは実際に印刷を始める工程になりますが…
最初から大物を印刷するのはリスクが大きすぎますので、まずは小さいサイズの物で
試作品を作っていこうと思います。
次回、寄り道のエアコンフィルターフレーム編!
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